教案は授業の手順を書いていくものです。そして、初級の段階では教材が重要な役割を果たしますから、教案には「ここでこの教材を使う」ということを明確に書いておかなければなりません。授業で教材をどう使うかに関しては、
・あらかじめ教材を準備しておく(絵、写真、実物、おもちゃ等の選択や教材サイズ)。
・準備した教材を、いつ、どのタイミングで提示するかを決めておく。
・その教材をどのように使うのか(教材を使う手順と方法)を決めておく。
・その教材をどのタイミングで回収するかを決めておく。
といったことを計画しておく必要があります。一方で、教案には、
・教えるべき文法
・教えるべき語彙
・文法と語彙を教えるための方法(活動手順)
などの項目も書いておかなければなりません。教材と、これらの項目が見やすくなっていないと、実際の授業ではどこで何をするのかが分からなくなってしまいます。教案を書く際には、教えるべき「文法」や「語彙」、その文法と語彙を教えるための「方法」、そして、その「方法」の中で必要となる「教材」などの関係が見えるように書く必要があるわけです。さらに、授業時間は決まっているので、どこにどのぐらいの時間を使うかのおおよその時間配分も決めておく必要があります。
教案を書く際には、教室活動を書く欄(例えば「方法」または「活動」「手順」などの名前の項目)と、教材を書く欄は分けておいたほうがいいでしょう。もちろん、「方法」の欄に教材を書くのは構わないのですが、それとは別に教材欄を作って、それぞれの教材を書いたほうが準備がしやすくなります。
教材に関しては、全て自宅から持ち込んで授業をする場合もあるでしょうが、通常の日本語学校で授業をする場合は、絵カードなどは学校に置いてあるものを借りて行うことが多いでしょう。その場合、当日学校に行ってから授業で使う絵カードを準備することになります。その際、使用予定の絵カードをさっさと抜き出して準備しないといけないのですが、もし、教材欄がなければ、教案の内容を見ながらどの絵カードがいるかを探していかなければなりません。見落とす可能性もないとは言えません。こういう場合、教材欄を作っておけば、その欄を頭から見ていって、必要な絵カードを次々と準備するだけでいいので、作業が楽になります。
教材欄を頭から見ていって必要な絵カードを準備するためには、教材欄は「方法」の欄と時間の流れが一致している必要があります。つまり、「方法」欄で、
「ここで『駅』の絵カードを提示」
と書くのなら、その横の教材欄に「絵カード『駅』」と書いておくということです。これで、実際の授業もやりやすくなります。
