教案には基本的に、「教えるべき文法」「教えるべき語彙」「文法と語彙を教えるための方法」などを書いておかなければなりません。そして、「方法」のところには教室活動の具体的手順を書くのですが、初級では教材(絵カードや実物教材等)を頻繁に使うので、教案には教材欄も作っておきます。そして、「方法」欄と一致するように「教材」欄に具体的に使用する教材を書いておきます。
養成講座で受講生の教案を見ていると、教材欄に「絵カード」とだけ書かれていて、具体的に何を使うのかが書かれていないことがときどきあります。「教材」欄に具体的な教材名を書いていないと、授業が始まる前の準備の時に、使用予定の教材が何だったか分からなくなってあわててしまうことになりかねません(本人が覚えていればいいのですが)。もし覚えていなければ教案の中身(活動の手順を書いている部分)を再度読む必要が出てきます。これでは少し時間をロスしてしまいます。
教材欄に絵カードの具体名が書いていなくても、活動の手順のところに書いてあればまだいいのですが、中には教案の中身を読んでも、簡単に流れが書いてあるだけで、どこでどう教材を使うのかが書いていないというものもあります。こうなると、授業前に「絵カード」をどう準備するのか心配になります。
また、教材欄に「場所の絵カード」と書いてある教案もあります。これは単に「絵カード」とだけ書いてあるものよりはいいのですが、それでも、具体的ではないので教材欄が有効に使われていません。ここは省略せずに、
「駅、銀行、郵便局、レストラン、学校、映画館、スーパー、病院」
などのように、1つ1つ記述しておくほうが便利です。もちろん、授業前の準備も効率的にできますが、それだけではありません。教卓に教案を置いて授業をする場合、教案の教材欄に並んでいる単語を見た時に、それだけで次の手順がイメージしやすくなるという効果があります。
現実の授業では、授業活動を細かく書いた部分を、授業をしながらゆっくり見るということはなかなかできません。できれば項目と項目のつなぎの時間にさっと見るぐらいがいいでしょう。その短い時間の間に教案の活動の部分を「読む」ことができればいいのですが、それは難しいので、教材欄の単語だけを目に入れて、計画した授業を思い出すというやり方が便利になります。授業に慣れてくれば、使用する絵カードの名前が並んでいるのを見ただけで、練習手順が頭に浮かぶようになります。
教案は書いた時には分かっていても、少し時間が経つと、どうするつもりだったか自分でも分からなくなるということがあります。ですから、面倒がらずに絵カードの名前も1つ1つ具体的に書いておいたほうが安心です。
