目的に合った練習をする

日本語学習者の目的が「会話ができるようになること」である場合は、「教えること=説明すること」という固定観念を壊す必要があります。
 なぜ「教えること=説明すること」という考えを捨てなければならないのかというと、学習者が会話ができるようになりたいと思っているからです。学習者が会話ができるようになるには、どうしたらいいでしょうか。それは、

○学習者に会話の練習をさせる。

これが一番だと思います。

○会話ができるようになるには、会話の練習をする。

 これは非常に分かりやすい原則だと思います。日本語学習ではなく、他のジャンルにも当てはまることではないでしょうか。

○ピアノが弾けるようになりたいから、ピアノを弾く練習をする。
○字がきれいに書けるようになりたいから、字を書く練習をする。
○水泳が上手になりたいから、泳ぐ練習をする。
○歌が上手になりたいから、歌う練習をする。

日本語学習以外に、いくつか例をあげました。これらの例で、もし上手になりたいと思っている生徒さんが、

○先生の説明をきくだけで、ピアノは全く弾かない。
○先生の説明をきくだけで、ペンは全く持たない。
○先生の説明をきくだけで、プールには全く入らない。
○先生の説明をきくだけで、口は全く開かない。

という人だったらどうなるでしょうか。どれも身に付かないことは言うまでもありません。
日本語会話も同様で、学生が会話ができるようになりたければ、学生に会話の練習をさせなければならないのです。

 ですが、養成講座の受講生は、ほとんどの方が日本で学校教育を受けてきた方なので、教壇に立ったら、話さなければならない、教えなければならない、と思ってしまうようです。実践演習の時間が20分与えられていたら、そのほとんどを説明の時間にあててしまうということがよく見られます。

初めから終わりまで説明に終始して、学生に発話のチャンスをほとんど与えないという授業では、学生の目的である会話ができるようにはなりません。目的に合った練習をするという原則を再度確認しておきましょう。

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