学生の指名方法を使い分ける

学生を指名する方法については、

・順番
・ランダム

の2種類があります。学生にプレッシャーを与えないためには、自分がどの順番で当たるかが予測できる順番型のほうがいいでしょう。

 しかし、順番に当てる方法がばかりを続けていると、他の学生が「自分はもう当たったから次には指名されない」「この順番だと自分には当たらない」と安心してしまい、クラス全体から緊張感がなくなってしまいます。そこで、ある程度クラスに緊張感を持たせるために、ランダムに指名するという方法も採り入れる必要があります。

 ランダムに指名する方法には順番がなく、教師の考えであちこちの学生に当てていきますから、学生はいつ指名されるか分からず緊張を強いられます。順番で指名する方法を続けた時など、学生が退屈している時はこの方法がいいのですがランダムに指名するやり方をずっと続けていると学生は緊張し続けることになるので、必要以上に疲れさせてしまいます。

 順番に指名する方法と、ランダムに指名する方法を使い分けることができれば、クラスの雰囲気をある程度コントロールできるでしょう。指名の方法も教案に書いておかなければならないと言いましたが、実際のクラスでは、その日の学生の様子や授業の流れでクラス全体の雰囲気が刻々と変化しています。ですから、順番に指名していて、少し緊張感がなくなってきたと感じたら、ランダムに指名する方法に変えるというように、教案から離れて、その時のクラスの様子で指名方法を変えていくという考え方がよいでしょう。

 クラスに緊張感を持たせたい時にはランダムに当てる方法が有効ですが、もう1つ、緊張感を持たせる方法があります。それは、

「指名してから質問する」
「質問してから指名する」

の2種類の質問方法を使い分けるやり方です。「指名してから質問する」というのは、

「Aさん、きのう何時に寝ましたか?」

という形式です。「質問してから指名する」というのは、

「きのう何時に寝ましたか? Aさん」

という形式です。最初に名前を呼ぶ質問の方法だと、教師が「Aさん、」と言った瞬間に名前を呼ばれなかったAさん以外の人が安心してしまいます。その時点であとの質問を集中して聞かないという学生も出てくるでしょう。これを続けていると、やはり緊張感のないクラスになってしまいます。ですから、「自分に質問が当たるかもしれない、集中して質問を聞かなければ」と学生に思わせる、質問してから指名するという方法も取る必要があるわけです。

 しかし、緊張感を伴う「質問してから指名する」だけを続けていると、やはり学生は緊張が続いて疲れてしまうので、2つの指名の方法をうまく使い分けるというやり方をとるのがいいでしょう。

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