教案には練習手順を詳しく書く

 教案の「教材」欄に具体的に教材名を書いておくと、授業が始まる前の準備もしやすく、授業をしている時でも教材欄に並んでいる単語を見た時に、それだけで次の手順がイメージしやすくなるという効果があるということを書きました。

 さて、「教材」欄の次は、授業の手順を書いていく部分(「活動」「手順」「方法」などと呼ばれている部分)について話を進めましょう。教案はもともと授業の流れを書いておくものですが、授業を初めてする人は、だいたいの流れではなく、できる限り細かく手順を書いておかなければなりません。

 初級の、特に最初の部分を直説法で教える場合は、学生は日本語がまだ分かりませんから講義をするというスタイルができません。日本語で何かを説明をしようとしても学生は日本語を聞いて理解することができませんから、教師は他の方法で授業を進めていかなければなりません。その方法とは、絵や写真、ジェスチャーなどを使って、1つ1つ日本語の単語や文を教えていくやり方です。

 「これは辞書です」という文を教えるのなら、「辞書」という単語を絵または実物で指し示し、「これは~です」という文を、辞書とジェスチャーで教えるというやりかたです。その次に、この文を学生が使えるようになるまで練習を繰り返すというわけです。このような学習初期の段階では、

・新しい単語を教える
・新しい文法の意味を教える
・教えた文法をリピートさせたり、単語を入れ替えたりして練習させる
・文を組み合わせて会話させる

という教室活動を常に行います。中でも大事なのは練習の部分です。この分量が多ければ多いほど学生は発話が多くなり、会話が進歩します。初期の練習ではシンプルに、絵や文字カードを使ってリピートしたり、単語を入れ替えたりしてパターン練習を行うのが基本です。

 「これは 辞書 です」
→「雑誌」で入れ替え
→「これは 雑誌 です」

といった方法です。単語を入れ替えるだけでなく、肯定文・否定文・疑問文を練習したり、現在形を過去形に変換したりする練習も行います。一口に練習といっても、その種類はいろいろありますし、単語の入れ替え練習1つをとってみても、「文の中のどの部分にどの単語を入れて言わせるのか」を指示しなければなりません。

 教案はこの練習手順を詳しく書いておくものなのですが、養成講座の受講生の教案には、ただ、「単語を入れ替えて練習」と書いてあるだけで、具体的にどのように練習するのかが書いていなものもあります。教室に入ってから手順が分からなくて困るということのないように、1つ1つ手順を書くようにしましょう。

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