非常勤で週に1回、または2回という勤務で教える場合、クラスに毎回連続で入ることはできません。そのため、
◯教えた経験がある項目についてはよく理解している。
◯しかし、その項目の前後のつながりまではまだ理解できていない。
◯教えた経験がない項目もまだ多い。
という問題が起こります。
どこを教えるかというのは与えられた時間割によって左右されるので、「まだ経験したことがない30課を教えてみたい」と思っていても、たまたま時間割でその課の担当日に当たらないと、教える機会が持てないことになります。
さらに、一度チャンスを逃すと、もう一度教えるチャンスが巡ってくるのは次の学期になります。学校のコースの作り方にもよりますが、1つのコースを3ヶ月で作っているのなら、次にチャンスが来るのが3ヶ月先、6ヶ月で作っているなら、6ヶ月先ということになってしまいます。そして、3か月先、6ヶ月先に希望する課を教えられるかどうかは、時間割による偶然に頼るしかありません。
結局のところ、非常勤講師は教える回数が少ないので、テキスト全体をトータルで全て経験するというチャンスがなかなか巡ってこないという現実があります。
テキストを飛び飛びでしか教えることができない場合に起こる、もう1つの問題は、
○テキストにある1つ1つの課が、テキスト全体の中でどういう位置を占めているかが分からない。
という問題です。テキストの初めから終わりまで全てを経験すれば、
○今、この課のこの文法をしっかり教えておけば、あとで出てくる別の文法を理解しやすくなる。
○今、この課のこの文法を、このように説明をしておけば、あと出てくる、これと似た文法との違いを矛盾なく説明できる。
といったことも分かってきます。こうしたテキスト全体の構造に関わる問題は、飛び飛びで教えていてはなかなか理解することができません。しかし、テキストの構造は本来はできるだけ早く理解しておかなければならないことです。
新人講師を育てるには、早い機会にテキストの全てを経験できる機会を与える必要があります。
