新しい技術・新しい知識を身に付けようと学び始めた学生たちは、高いモチベーションを持っています。彼らのやる気をうまくつかんで、今後の学習が軌道に乗るように持っていく必要があります。
学習開始時点でうまく軌道に乗せることができなければ、あとで持ち直すのが難しくなります。反対に、最初にうまく軌道に乗せられると、その後の学習がスムーズに進むようになります。
最初にうまく軌道に乗るということは、体系立った学習の基礎が固まるということです。基礎から応用へ、あるいは、初級から中級へと学習が進んでいく場合、最も大事なのは基礎を固めることです。なぜかというと、基礎が固まっていない学生は、その後の積み上げができないからです。
クラス単位で学習が進んで行く場合、カリキュラムは一定期間で次のレベルに進むように作られているのが普通です。このような学習システムでよく見られるのは、前段階での学習項目の定着が不十分なまま、次のレベルに進み、そこで苦労する学生です。前段階での学習がきちんとなされていないので、次のレベルでの学習が積み上がっていかないのです。
単純に考えれば、もう一度前のレベルに戻って基礎固めをすればいいということになります。しかし、相手が成人以上であれば、このような落第・留年のようなやり方はうまくいかないこともあります(本人が希望する場合は別です)。落第・留年というのは学習者本人のプライドが許さないことが多いのです。
「来学期も今のレベルをリピートしてください。このまま次のレベルに進んでも今のあなたではついていけませんよ」と、リピートを勧めても、ほとんどの場合、プライドの高い学生は「いや大丈夫です。できます」と言います。成績などの客観的な数値を見せても納得することはありません。
例えば、成績などの数値をもとに、「規則ですから」と言って強制的に留年の処置を取ったとしましょう。その場合、これで学生は基礎を固めてくれるだろう、という学校側の期待とは裏腹に、学生のモチベーションはいっぺんに下がってしまいます。学生の心の中では、「自分はもっとできる」「このクラスは自分にはやさしぎる」「レベルが低いことをやらされている」という不満が渦巻いています。こうなると、せっかくの授業がますます身に付かなくなってしまいます。
見かねて、元のレベルに戻してあげると、学生は生き生きとした表情になります。しかし、このクラスで学習するための基礎が固まっていないのですから、現在の学習が身に付かないという問題は解消されないままです。結局、この学生にとって、クラスレッスンは「自分はこのレベルで勉強しているのだ」というプライドを満たすだけになってしまいます。これではせっかくの勉強の意味がありません。
まずは開始段階で学生を軌道に乗せること、それが学習成功への第一歩です。
開始段階で学生を軌道に載せる重要性
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